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Microsoft Fabric:AI時代の統合分析プラットフォーム

By Rupal BhattAug 12, 20256 min read

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架空の企業「Tell Me More Telco」を例に考えてみましょう。同社は100社を超える顧客を抱え、拡大する顧客基盤に対応するためチームも急速に成長しています。日々膨大なデータが生まれており、Power BIでいくつかのダッシュボードを構築しているものの、データが分散しているために取り組みはバラバラな状態です。

同社の現状のデータ環境と利用ツールは次の通りです。

この図は、データサイエンス・分析、カスタマーサービス、データエンジニアリングの各部門が利用しているAzureサービスの一部を示しています。ご覧の通り、各部門はそれぞれ異なるサービスでデータを保管しており、自分たちのチームが最も使いやすいツールを選んで導入しています。同じAzureサービスを使っていながら、結果としてデータサイロが生まれ、データ形式にも統一性がありません。膨大なデータが生成されているにもかかわらず、本来活用すべき部門がアクセスできない状態に陥り、データの重複や、形式の異なる複数バージョンのデータが部門間に乱立する事態を招いています。部門をまたぐデータパイプラインも数多く張り巡らされ、その維持管理は複雑で時間のかかる作業です。コストは膨らみ、信頼できるデータを見つけ出すのも一苦労。データ形式が異なれば利用するデータ技術も多様化し、それぞれに学習コストが発生するうえ、セキュリティリスクも何倍にも膨らみます。さらに各技術にはライセンス費用が上乗せされ、料金体系もばらばらです。

これは多くの企業が直面しているありふれた状況です。Microsoftはこの課題に対し、興味深いソリューションを打ち出しました。それがMicrosoft Fabricです。

Fabricを構成するデータプロダクト

Microsoft Fabricは、複数のデータプロダクトの集合体です。さまざまなデータプロダクトが織り合わさってFabricを形作っています。組織が必要とするあらゆるデータ・分析ツールを一つに束ねた、エンドツーエンドの統合分析プラットフォームです。まず、データサービスは大きく4つの機能領域に分類されます。

データに関連する機能は、おおむね上記のいずれかに収まります。

これらの機能が一つの統合プラットフォームにまとまることで、架空の「Tell Me More Telco はもちろん、皆さまの組織においても、データ管理が格段にラクになるのです。

Fabricの何が違うのか?

  1. 分析プロジェクトには通常、さまざまな構成要素があり、それぞれに専用のツールが必要で、しかも提供元が異なるケースが少なくありません。これらすべてを連携させるのは難しく、時間もコストもかかります。そこで登場するのがFabricです。必要なものをすべて一箇所に揃え、シームレスにつながった環境を提供します。クラウドサービス(SaaS)として提供されるため、すぐに使い始められ、複雑なセットアップは不要。数秒でサインアップでき、わずか数分で実際の成果を確認できます。Fabricは、分析に関わるあらゆるチームを支えるよう設計されています。データエンジニア、データサイエンティスト、アナリスト、ビジネスユーザー — どの役割であっても、その業務にぴったり合ったツールと体験が用意されています。

Fabricを織りなす各要素を簡単にご紹介します。

  • Data Factoryは、クラウドおよびオンプレミスの150以上のデータソースに簡単に接続できます。ドラッグ&ドロップの直感的な操作でデータを変換でき、データワークフローも手軽に構築可能です。
  • Synapse Analyticsは、すぐに立ち上がるライブ環境でSparkコードを手軽に記述・実行できます。チームでの共同作業にも最適です。
  • Synapse Data Scienceは、データサイエンティストが本格的なAIモデルを構築するために必要なすべてを提供します。機械学習モデルのトレーニング、デプロイ、運用管理を一箇所で完結でき、チーム作業を前提に設計されています。
  • Synapse Data Warehousingは、データレイクとデータウェアハウスを一つのなめらかな体験に統合します。圧倒的に高速なSQLパフォーマンスを実現し、オープンなデータ形式に対応しています。
  • Synapse Real-Time Analyticsは、IoTデバイス、ログ、テレメトリなどから流れ込むデータをリアルタイムで分析します。膨大なデータを低レイテンシで処理可能です。
  • Power BI in Fabricは、強力な可視化ツールとAI分析機能でデータの理解を後押しします。Microsoft 365にも組み込まれているため、普段使うアプリの中で直接インサイトを得られます。
  • Data Activatorは、データをリアルタイムで監視し、特定のパターンを検知すると自動でアラート送信やアクション実行を行います。コーディングは不要です。

2. シンプル、オープン、そして統合データレイクを中核に

OneLakeは、Fabricを使うすべての人がそのまま利用できる、組み込み型のクラウドデータレイクです。Microsoft 365アプリがOneDriveとつながっているのと同じように、Fabricのすべてのツールが自動的にOneLakeに接続されます。データが整理され、検索・共有もしやすく、安全に管理される、すっきりと使いやすいハブを備えています。

3. AIでさらに賢くなるFabric

Fabricは、Azure OpenAI ServiceによってAIの恩恵を大きく取り込んでいます。Fabricのあらゆる機能に組み込まれており、データからより多くの価値を引き出せます。開発者でもビジネスユーザーでも、AIを使ってデータを探索し、インサイトを発見し、データパイプラインや機械学習モデルを構築することまで可能です。しかも、すべて普段の話し言葉で。

4. ビジネスに関わるすべての人がデータをもっと使いこなせる

Tell Me More Telcoの経営陣は、すべての従業員が必要なデータにアクセスできる状態を望んでいます。Fabricは、社員が日常的に使っているMicrosoft 365ツールと緊密に連携することで、それを後押しします。

たとえばPower BIはFabricの中核要素であり、Microsoft 365に直接組み込まれています。Excel、Teams、PowerPoint、SharePointといったツールとの深い統合により、ユーザーは慣れ親しんだアプリから離れることなく、OneLake内のデータをすぐに見つけて活用できます。結果として、より多くの人がインサイトに触れ、それを実際のビジネス価値へとつなげられるようになります。

5. 低コストで、いつでも使える

分析システムでは、一つのプロジェクトに複数ベンダーの製品を組み合わせて使うのが一般的です。その結果、データ統合、データエンジニアリング、データウェアハウジング、BIといった複数のシステムごとにコンピューティング容量を確保することになります。あるシステムがアイドル状態でも、その容量を他のシステムが流用することはできず、大きな無駄が生じます。

Fabricには、データ処理に必要なツールがすべて揃っています。そのため、リソースの共有が格段にしやすく、コストも抑えられます。タスクごとに個別のリソースを購入するのではなく、Fabricのあらゆる機能が利用できる共有コンピューティングプールを一つ購入するだけで済むのです。分析ツールをよりスマートかつ柔軟に管理しながら、同時にコスト削減も実現できる方法です。

コストといえば、Azureの各種サービスで膨らみ続ける請求を常に把握しておくことが極めて重要です。そこで頼りになるのが、DoiTのAzure Lensダッシュボードです。Azureサービスにかかる費用を次のように可視化できます。

Fabricが統合分析プラットフォームであるように、DoiT Cloud Intelligence™は、パフォーマンス・レジリエンス・セキュリティを兼ね備えたクラウドの計画・調達・運用を支援する強力なソリューションです。

本記事はFabricの入門編に過ぎません。今後の記事で各構成要素を一つずつ掘り下げ、それらがFabricの強みと魅力をどのように形作っているかを解き明かしていきます。

Azureにおけるデータ資産の管理をどのように支援できるかは、ぜひ当社ウェブサイトでご確認ください。