
前回の記事では、クラウド認定試験の準備のコツをお伝えしました。今回は私が実際に使って良かった教材をまとめ、本番の2〜3時間を乗り切るための準備をサポートします。
隣の受験者がエナジードリンクを音を立てて飲んでいても、集中を切らさずに
クラウドアーキテクト認定試験の学習リソース
ここからは、私が実際に使って役立ったおすすめ教材を、模擬試験を中心にご紹介します。
質の高い模擬試験は、本番に近い形式で出題されます。設問と選択肢は読みやすい英語で書かれ、文章量もそれなりにあるのが特徴です。正解・不正解のいずれにも解説が付き、なかには試験作成者がフォーラムで素早く質問に答えてくれるものもあります。
Google Cloud Architect 向け
- Google公式のPractice Examは無料で、本試験を最も忠実に再現できますが、問題数は20問にとどまります。
- Richard Kopeikin氏はUdemyで模擬試験セットを提供しています。同じ料金で同一の教材が3通りに並べ替えられているのが大きな魅力で、サービスカテゴリ別、難易度別、本番同様のミックス形式から選べます。
- Dan Sullivan著『The Official Google Cloud Certified Professional Cloud Architect Study Guide』には、書籍内の復習問題に加え、書籍からアクセスできるオンラインのインタラクティブ版も用意されています。問題を並べ替えて自作のテストにすることも可能で、各章は試験と連動しているため、学習とテストを短いサイクルで繰り返せます。
- Dr Shiyghan Navti氏は、自分の解答にどれだけ自信があるかという観点を取り入れた斬新なクイズシステムを開発中です。現在はアルファ版のプレリリース段階で、自信レベルを軸にGoogle Cloud Platformを学べます。
AWS Certified Solutions Architect — Associate 向け
これらの試験を受ける方は、すでにキャリアを積んでおり、履歴書から「Associate(アソシエイト)」という肩書きはとっくに消えているかもしれません。それでも、Professional試験の前にこちらを受けておくのがおすすめです。Associateははるかに易しく(難易度はGoogle Cloudの試験と同程度)、Professional認定までの"ご褒美"代わりになります。万一Professionalで不合格になっても、すでにAssociateを持っていれば心強いはずです。
Associate向けの教材はProfessional学習の土台としても欠かせません。Associate向けの教材は豊富である一方、Professional向けはほとんどないことを考えると、この点はとくに重要です。
さらにAssociate認定を取得すると、Professionalの模擬試験が無料で受けられ、Professional本試験も半額になります。
教材選びには注意が必要です。2020年3月に新バージョン(SAA-C02)がリリースされたため、内容が古くなっている教材も少なくありません。とはいえ、知識の大半はそのまま通用しますし、AWSの変化を追うこと自体が学習の一部でもあります。
Associate認定は、他の2試験に比べて学習教材が圧倒的に充実しています。
以下に挙げる教材は、いずれも新試験バージョンに対応済みです。
- Neal Davis氏は質の高い模擬試験セットを提供しています。Digital Cloud Trainingから直接購入することもでき、設問ごと/テスト終了後に解答を確認したり、トピック別やランダムに並べ替えたりと、柔軟な演習が可能です。
- Jon Bonso氏の模擬試験セットも高品質で、Udemy、または柔軟な演習機能を備えたTutorialsDojo直販から入手できます。
- TutorialsDojoのCheat Sheetと、Digital Cloud Trainingのトレーニングノートは、要点を絞ったコンパクトなまとめ資料です。
- A Cloud Guruのコースには模擬試験セットが含まれます。テストプラットフォームでは、設問ごとや数問ごとにフィードバックを受け取れるなど、柔軟なオプションが用意されています。
- AWSは10問のミニ試験を提供しています。
- モバイル向けには、Udemyアプリ以外にもGoogle Play Storeで多数の無料アプリが見つかります。たとえばKnowledgeHut、Simplilearn.com、AWSProなどです。詳しさはまちまちで古くなっているものもありますが、移動中の追加演習用に十分活用できます。
AWS Certified Solutions Architect — Professional 向け
Professional試験は、他の2試験に比べて学習教材が極端に少ないのが現状です。
- 最良かつ唯一の高品質な模擬試験セットはJon Bonso氏のもので、Udemyまたは柔軟な演習機能を備えたTutorialsDojo直販で入手できます。
- AWSは6問のサンプル問題を公開しています。数こそ少ないものの、本試験に最も近い無料教材です。解答は日本語版で入手すれば、ネタバレ防止にもうってつけです 😊!
- AWSの公式模擬試験は40ドルと、TutorialsDojoより割高な割に問題数は少なめです。ただし、先にAssociateに合格していれば無料になります。これはスピード演習用ではなく、本番に近いシミュレーションとして温存するのがおすすめです。十分に演習を重ね「そろそろいけるかも」と思え始めたタイミングで、1時間を確保して取り組みましょう。
- 体系的に学びたい方には、Linux Academyの良質なコースがあり、模擬試験セットも付いています。
- AWS公式コースは無料で、サンプル問題も付いていますが、本試験とは出題形式が異なります。
- Associate試験の内容を再度復習しましょう。そこで身につけた知識はProfessionalでも十分に活きます。
集中ゾーンに入る
ソフトウェア開発で良い成果が出るのは、いつもフロー状態のときです。試験当日も同じで、その状態に入り、保ち続ける必要があります。前夜はしっかり眠りましょう。水分はきちんと、ただし摂りすぎは禁物です。
試験中は良いリズムを保って取り組みましょう。設問を流し読みするのも、ぐずぐずするのもNGです。見直し用に40%を残したうえで1問あたりの持ち時間を計算し、数問ごとにペースを確認します。時間は限られていますが、準備期間中に高速演習やマルチタスクをこなしていた頃に比べれば、考える余裕は十分にあります。
問題はひとつもスキップしないでください。誤答による減点はなく、明らかに違う選択肢を除外したうえで根拠ある推測をすれば、十分に勝算があります。
自信が持てない設問には、試験システムのフラグ機能で印を付けておきましょう。全問解き終えたら、フラグを付けた問題を見直します。2回目に読むと意味が驚くほどクリアになっていたり、他の設問からヒントが得られたりすることもあります。さらに時間が残っていれば、全問を見直しましょう。
「コスト削減」「レイテンシ」といったキーワードに注目し、設問に書かれていない目標に向かって、「一般的に良さそうだから」という理由だけで最適化に走らないようにしましょう。
直感を信じましょう。どうしても解けない問題は必ずあります。そんなときは本能に従って答えを選びます。長年の経験と試験前の何時間もの演習が、正解を嗅ぎ分ける勘を育てているはずです。エンジニアリングと同じで、必要なときには「完璧ではなくとも最善」を選ぶ姿勢が大切。すべての選択肢が間違いに見えても、いちばんマシなものを選びましょう。
普段の業務と同じく、賢く、しかし複雑にしすぎないことです。設問はわざと細かい点を突く作りになっています。そうでなければ、選択式試験は手応えのないものになってしまうからです。とはいえ、出題者の裏をかこうとするあまり、正解を「ひっかけ」と決めつけて捨ててしまわないように。試験は難しく作られていますが、受験者を騙すためのものではありません。
当日を迎え、あなたは準備万端です。十分な模擬試験をこなし、自分が取れるスコアの目安もつかんでいます。普段の業務でいちばん多く実践してきた分野には自信があるはず。今日もきっと、その自信を胸に臨めます。